東海大学 宮沢研究室は、ろう付・はんだ付けで、ものづくり分野に貢献し、製造分野へ学術分野から貢献します。
宮沢研究室の研究内容の紹介と研究成果を示します。

研究内容紹介 Research contents

 宮沢研究室は,「接合科学研究室」です。「もの」と「もの」をくっつける研究をしています。何でもくっつける自信があります。接合技術の中で,特に産業界から要望が多い技術に「Brazing & Soldering」が有ります。この「Brazing & Soldering」,即ち,ろう付・はんだ付技術を取り扱う研究室です。また,本研究室では,「冶金」や「金属材料」に関する基礎知識や素養を大切にしています。
 本研究室は,ろう付・はんだ付技術で世界トップレベルの大学の研究室です。

 本研究室はモノとモノとをつける接合技術に関する研究を行っています。特に,ろう付・はんだ付に関する研究を行っています。ろう付は溶接などの接合技術と比較して,冶金的な面接合が達成可能な技術であり,ものづくり分野の重要技術と位置付けられています。接着剤による接合も面接合が得られますが,冶金的な接合ではないので,経年劣化や環境による劣化が懸念される場合が多いと言われています。
 ろう付・はんだ付は,接合したい物の間にろう材・はんだと言われる溶融した金属を毛管現象により流入させ,液相/固相間の界面反応によって強固な密着を得る事により接合する技術です。また,ろう付は極めて重要な技術ですが,科学的な考察が加えられる様になって日が浅く,学問的に未解決な問題が多く存在しています。一方,新技術や新素材の開発のスピードはますます加速しており,それに伴い,ものづくりにおける材料プロセス技術(材料の製造技術や加工技術など)の高度化,高精度化などが要求されております。そこで,宮沢研究室では,金属材料同士または金属材料と非金属材料(主に,セラミックスや炭素系材料)との接合に関する研究を次に示す研究方針に従い,実施しております。
 接合技術における重要な要求項目は,接合体使用時に接合部が破損(最悪の場合,接合部が外れる)しない事です。健全な接合部を得るためには,接合部を均質にする事が必要ですが,接合部は特別な場合を除き,材質的に不連続・不均質であり,これまでの研究成果より「接合界面の密着性」や「接合界面でのミクロ的またはマクロ的な材質の連続性や均質性」が接合体の信頼性に影響を及ぼす事が判っています。すなわち,密着した健全な接合界面が得られ,ミクロ的またはマクロ的に材質の連続性や均質が得られれば,実用上問題の少ない接合体(継手)が得られます。一方,健全な継手などが形成されるメカニズムやその手法には未解決の点が多くあります。
 そこで,ろう付部やはんだ付け部の接合界面に着目し,接合後の接合界面組織や元素分布を詳細に観察分析した結果から接合中の界面反応現象機構を明らかにし,より安定な接合手法の確立を最終目標として研究を実施しています。

代表的な研究テーマ

(1) Ni系ろう材を用いたステンレス鋼の接合,Brazing of stainless steel with Ni-based brazing filler metal
(2) マイクロスポットろう付による異種金属材料の接合,Joining of dissimilar metal with micro-spot brazing technology 
(3) 銅および銅合金のろう付,Brazing of Cu and/or Cu alloy
(4) 電流負荷がはんだ付け部に及ぼす影響,Effect of current load to microstructure at the soldered joint
(5) ナノ金属粒子による電子素子の接合,Joining of electronics device with Nano-powder 
(6) 新しい異種金属接合技術の開発と接合機構の解明,Development of dissimilar metal joining technology
(7) 電気化学的手法を用いたろう付体耐食性の評価,Investigation of corrosion resistance with electrochemical method
(8) 超硬合金と異種金属材料のろう付,Brazing of cemented carbide to dissimilar metal
(9) 文化財のろう付,Metallurgical analysis at the brazed joint cultural goods

研究で使用する分析装置・測定装置など

研究室設備
横型ろう付雰囲気炉,縦型ろう付雰囲気炉(自作),研磨装置一式,ろう付体温度測定装置,表面あらさ計,ぬれ性試験機(Wetting balance装置),マイクロスコープ,安定化電源,恒温槽,温度安定化装置(自作),ホットプレート,マイクロスポットろう付装置,光学顕微鏡,プロファイルプロジェクター,ドラフター,中速カッター,低速スローカッター,古代ろう付技術再現装置(自作)

学科・大学共通設備
ろう付真空炉,ホットプレス,サーボパルサー,引張試験機,DTA熱分析装置,DSC熱分析装置,TG熱分析装置,TMA熱分析装置,SEM,高温硬度顕微鏡,XRD,ビッカース硬さ試験機,マイクロビッカース硬さ試験機,高速カッター,抵抗溶接装置,ボール盤・旋盤など工作機器,研磨装置一式,薄膜XRD,EPMA,ESCA,TEM,FIB,TOF-SIMS,AFM,ESR,EBSD,クロスセクションポリッシャー

 

依頼された解説論文・依頼講演など

 最近、ろう付や冶金(組織観察など)に関する講演依頼、執筆依頼を多数受けます。大変有り難い事です。著作権の都合で論文全文を示す事は出来ませんが、宮沢へ直接問い合わせ頂ければ、論文別刷りやデジタルデータを送信する事は可能です。よろしくお願い申し上げます。

 詳細は、こちらにも掲載中です。